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「介護福祉士が次に目指す資格は何?」
「介護福祉士からのスキルアップは何があるのかな?」
このように「介護福祉士の資格取得の次に取るべき資格も知っておきたい…」と悩む方は多いのではないでしょうか?
介護福祉業界では、介護福祉士の資格を活かしつつ、新たな資格取得やキャリアアップを目指す方がいます。
私は20年以上、介護福祉分野で働いており、この疑問に対して悩みを抱えてきた側の人間です。
目指すキャリアによって必要となるスキルや資格も変わってくるので、どのような資格を取得するべきなのか迷う気持ちは凄く良くわかります。
そこで、私の介護職20年以上の経験から、悩んでいる方に向けて介護福祉士から目指すべき介護分野での資格の取得やスキル・キャリアアップの方法について解説します。
また、介護福祉士の資格取得に数年かかった私が、介護支援専門員の資格取得を本気で取り組んで1度で合格させた勉強方法についても解説します。
資格取得やスキルアップに興味のある方は最後まで参考にしてください。
スキルアップでおすすめの介護福祉士から取れる資格
「介護福祉士」の資格はそのままでも大いに価値がありますが、さらに自分自身のスキルを広げたいと考えている方もいるでしょう。
そこで、介護福祉士からさらにスキルアップできる資格を3つご紹介します。
- 認定介護福祉士
- 喀痰吸引等研修
- 医療介護福祉士(次回講座未定)
それぞれ順番に解説します。
認定介護福祉士
認定介護福祉士の資格は、介護福祉士よりも上級の資格とされています。
特に現場をまとめる指導力やマネジメント能力、専門的な介護スキルを高め、キャリアアップを図るための資格です。
認定介護福祉士は2015年に始まった新しい民間資格で、取得には厳格な基準が設けられました。
研修時間は約600時間とされ、その期間は資格取得までに約1年半から2年かかります。
資格取得に長い時間を要しますが、専門的な介護スキルやマネジメント能力を習得することができます。
認定介護福祉士の取得には
- 認定介護福祉士養成研修Ⅰ類
- 認定介護福祉士養成研修Ⅱ類
があり、取得には以下の条件が必要です。
- 介護福祉士資格を取得し、さらに5年以上の実務経験があること
- 介護職員を対象とした現任研修の受講歴が100時間以上あること
- 研修実地団体が課すレポート課題、または受講試験で一定水準の成績を修めること
- 認定介護福祉士養成研修Ⅰ類を修了していること
- 介護職の小チームリーダーとして実務経験を積んでいること
【費用】
受講費用は、研修を受ける介護福祉士会の会員の場合が30万円前後、非会員の場合が60万円前後となります。
認定介護福祉士は、介護福祉士以上の専門知識とスキル、リーダーシップを身につけるための資格です。
国家資格の介護福祉士が、具体的な介護技術を実践する専門家であるのに対し、認定介護福祉士はより高度な介護知識と現場でのマネジメント能力を必要とします。
厳格な基準をクリアし、約1年半から2年という時間をかけて取得できるこの資格はキャリアアップを実現するための有効な手段となるでしょう。
現場のリーダーとして、あるいは専門的な知識を活かして新たな道を開くために、認定介護福祉士の資格取得は大いに価値があります。
喀痰吸引等研修
高齢者の方々には、口腔疾患に伴う呼吸苦や嚥下障害(飲み込み不良)障害を持つ方がいます。
自由に呼吸をするためには、喀痰吸引の支援が必要です。
喀痰吸引等研修の資格を持つことで、さらなる需要のある現場で活躍することが可能になります。
受験資格は介護職員初任者研修をお持ちの方も受講できます。
カリキュラムは「第1号研修」「第2号研修」「第3号研修」に分かれ、講義と実地研修の修了によって取得が可能です。
資格取得には50時間の講義を受け、カリキュラムに応じて実地研修の回数がかわります。
「第1号研修」「第2号研修」は不特定多数の利用者を対象とし、「第3号研修」は在宅の重度障害者等の特定の利用者を対象とした研修となっています。
【研修に必要となる費用】
- 「第1号研修」:23万6,500円(税込)
- 「第2号研修」:18万4,800円(税込)
- 「第3号研修」:4万480円(税込)
現代の介護ニーズとして、喀痰吸引や経管栄養などの需要を満たし、看取り介護を行っている施設は増加しています。
施設運営において、喀痰吸引等研修を保有している職員確保の重要性は今後も増加していくでしょう。
喀痰吸引等研修を修了している職員は、医師の指示や看護師と連携し、喀痰吸引や経管栄養の実施が可能となります。
資格取得が気になる方は、各地自体それぞれで詳しい内容が公開されています。
受講費用の割引制度などもあるので、気になる方はお住いの地域の自治体情報を確認してみましょう。
医療介護福祉士
医療介護福祉士は介護が必要な方に医療チームの一員として関われる人材です。
受講対象は「介護福祉士としての実務経験が1年以上ある人」となっており、研修期間は6日間、24単位(講義と現場実習)を取得し、修了テストに合格することで医療介護福祉士の認定を受けることができます。
医療介護福祉士は民間資格であり、医療行為ができる資格ではありません。
医師や看護師などの医療従事者と協力しながら、適切な処置やサービスの提供をサポートします。
2023年6月1日現在「医療介護福祉士」資格の講座は開講されていません。また、今後の開講予定も現在のところ未定となっています。
認知症のケアに活かせる介護福祉士から取れる資格
認知症の方々をサポートするためには、特別な技術や知識が必要となります。
そこで、認知症ケアに特化した資格取得はニーズが高いと言えます。
認知症ケアに活かせる資格は下記の4つです。
- 認知症介護基礎研修
- 認知症介護実践者研修
- 認知症介護実践リーダー研修
- 認知症ケア専門士
それぞれ順番に解説します。
認知症介護基礎研修
この研修を受講すると、認知症の基本的な知識と対応方法を学ぶことができます。
研修を修了することで、認知症の方々とのより良い関わり方を身につけることができるでしょう。
2021年4月に介護職に従事する条件として認知症介護基礎研修が義務化されました。
2024年3月までの3年間は経過措置として研修の受講は努力義務であり、現時点では無資格でも介護職として働くことは可能です。
研修受講対象者は無資格の介護従事者です。
認知症介護基礎研修は、講義3時間(認知症の人の理解と対応の基本)と演習3時間(認知症ケアの実践上の留意点)の6時間であるため、1日で研修を修了することが可能です。
受験方法は以下のパターンで実施されており、住んでいる都道府県によって異なります。
- eラーニング(講義)
- eラーニング半日+集合型半日
- 集合型研修 など
研修の主催は各自治体で行っています。
認知症介護に関する資格情報は認知症介護情報ネットワークが参考になります。
認知症介護実践者研修
認知症の方々を介護する現場で、より具体的なスキルが求められる場合には、認知症介護実践者研修がおすすめです。
現場で直面する様々な課題に対応するための具体的な知識や技術を学ぶことができます。
基礎研修よりも体系的に認知症介護への理解を深めることができるため、研修を受けることで質の高いサービス提供が可能になります。
受講費用は都道府県で異なりますが、無料から25,000円程度が目安です。
研修期間や受講条件は自治体によって異なるので、気になる方はお住いの地域で確認してみましょう。
認知症介護に関する資格情報は認知症介護情報ネットワークが参考になります。
認知症介護実践リーダー研修
認知症ケアの現場でリーダーシップを取るためには、認知症介護実践者研修の最上位資格である認知症介護実践リーダー研修が役立つでしょう。
研修を修了すれば、現場での問題解決能力やチームをまとめるリーダーシップスキルを学ぶことができます。
施設によっては配置を義務付ける施設も存在するので、スキルアップや転職などにも影響を与える資格です。
研修を受けるには「5年以上の実務経験+認知症実践者研修修了後1年以上」の受験条件がありますが、各都道府県によって条件が異なっています。
研修スケジュールや申し込み時期、費用なども都道府県によって異なるので、受験を希望される方は下記の公式ホームページで確認してください。
カリキュラムは講義、演習、他施設実習、自施設実習で構成され、3ヶ月程度の期間が必要です。
認知症介護に関する資格情報は認知症介護情報ネットワークが参考になります。
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は2005年に制定された、一般社団法人日本認知症ケア学会が主催する民間資格です。
認知症ケアに関する高度な知識と技能を習得した人材育成を目的にしています。
認知症ケア専門士の資格は「認知症ケアのプロ」として知名度も高く、専門知識と技術の習得が可能です。
資格取得によって介護、医療において就職や転職時のアピールで有利になるでしょう。
受講概要と受講料は下記のようになっています。
- 受験資格:試験実施より過去10年間に認知症ケアに関する施設や団体で認知症の方に関わる3年以上の実務経験を持つこと。
- 第1次試験:4分野(認知症ケアの基礎・認知症ケアの実際1・認知症ケアの実際2・認知症ケアにおける社会資源)に対するマークシート式問題を受け、各70%以上の正答率が必要。
- 受講料は1分野3,000円(4分野合計で1万2,000円)です。
- 第2次試験:論述問題と面接試験の総合評価で要件を満たす必要があります。
- 受講料は8,000円。
上記の認定試験に合格後、認知症ケア専門士として登録申請をすることで資格を取得できます。
介護福祉士としてのキャリアアップに役立つ研修
介護福祉士として、スキルアップやキャリアアップを目指すなら、以下の3つの研修がおすすめです。
- 介護福祉士基本研修
- ファーストステップ研修
- 認定介護福祉士養成研修
それぞれ順番に解説します。
介護福祉士基本研修
この研修は、介護福祉士の資格取得後、実務経験2年未満の介護福祉士が基本的な知識や技術をさらに深めるものです。
具体的な知識や技術だけでなく、指導力やリーダーシップ力の基礎を身につけます。
介護福祉士基本研修は都道府県の介護福祉士会から申し込みができ、オンラインでの受講にも対応しています。
ファーストステップ研修
ファーストステップ研修とは、介護福祉士取得後、実務経験2年〜3年の現場に入る方々を対象に、基本的な介護技術や介護の心得を学びます。
また、現場で直面する課題に対して客観的に自己を振り返る研修もあり、介護への理解を深めることも可能です。
全国社会福祉協議会から認定されている養成施設にて受講できます。
カリキュラムは232時間となっており
- 「ケア領域」
- 「連携領域」
- 「運営管理基礎領域」
- 「総合評価」
の4つの履修科目領域に分類されています。
なお、受講に必要な費用は14万円となっており、日本福祉会会員の場合は9万円です。
認定介護福祉士養成研修
認定介護福祉士養成研修は、介護福祉士としてのスキルをさらに深めるためのものです。
具体的な知識や技術だけでなく、実践的な指導力やリーダーシップ力を身につけることができます。
認定介護福祉士の研修カリキュラムは2種類あります。それぞれの受験資格は以下の通りです。
研修の類 | 受講条件 | 目的 |
認定介護福祉士養成研修Ⅰ類 | ・介護福祉士資格を取得し、さらに5年以上の実務経験があること ・介護職員を対象とした現認研修の受講歴が100時間以上あること ・研修実地団体が課すレポート課題、または受講試験で一定水準の成績を修めること | ・介護福祉士の実務経験と知識を基に、更に高度な介護スキルと理論を学ぶ ・専門的な知識を持つ介護リーダーとして、現場の指導力やマネジメント能力を養う |
認定介護福祉士養成研修Ⅱ類 | ・認定介護福祉士養成研修Ⅰ類を修了していること ・介護職の小チームリーダーとして実務経験を積んでいること | ・養成研修Ⅰ類で学んだ理論を基に、具体的な現場での指導力やマネジメント能力を磨く ・サービスの企画、立案、運営、評価など、高度なサービス提供のためのスキルを身につける |
詳細な情報は「認定介護福祉士認証・認定機構」の公式サイトをご確認ください。
管理職・施設長などへのキャリアアップにおすすめの資格
介護福祉士として現場での経験を積み、次のステップとして管理職や施設長を目指す方々に向けて、おすすめの資格を4つご紹介します。
- 社会福祉主事任用資格
- ケアマネージャー(介護支援専門員)
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
なお、介護福祉士以外の資格を取得するとダブルライセンスになるので仕事の範囲と視野が広がり、施設内出世や転職も有利になります。
社会福祉主事任用資格
社会福祉主事任用資格は、社会福祉事業の運営や管理に関する専門的な知識と技術を有する人材を認定するための資格です。
取得することで、福祉施設の主任や管理職、相談業務を務めることが可能です。
実際に資格取得で働く例として、児童施設や高齢者施設、障害者施設、行政福祉に関わる多くの職場で利用価値のある資格です。
行政機関でも活躍の場が多く、全国1,200ヶ所の福祉事務所で相談、指導、援助業務を行えます。
社会福祉主事任用資格取得後は地方公務員試験に合格することで、社会福祉主事として活躍できます。
社会福祉主事任用資格取得の条件は下記です。
- 大学等で科目を3科目以上履修して卒業すること
- 指定の学校の通信課程を修了すること
- 指定の養成機関を修了すること
- 都道府県等講習を受講すること
- 社会福祉士もしくは精神保健福祉士の資格を取得すること
詳細は、厚生労働省の公式ウェブサイト(社会福祉主事任用資格の取得方法)でご覧いただけます。
ケアマネージャー(介護支援専門員)
ケアマネージャーは、高齢者の介護支援に関わる介護計画を作成し支援する専門職です。
介護福祉士の実務経験を活かしてケアマネージャーの資格を取得することで、より幅広い視点から介護サービスを提供することが可能です。
キャリアアップに役立つ理由として、介護支援専門員は介護に役立つ情報や行政機関、福祉援助への社会資源を利用する情報など、広い視野を持って働く必要があります。
介護支援専門員として従事することで、マネジメント能力が養われ、将来へのステップアップに必要となる経験と実績につながるでしょう。
詳細は、厚生労働省の公式ウェブサイト介護支援専門員(ケアマネジャー)でご覧いただけます。
社会福祉士
社会福祉士は福祉のなかでは難易度が最高位の資格と言えます。
社会福祉士として働くことで、具体的には、仕事の安定性、多様なキャリアパス、及び人々の生活を支援することで達成感や充実感が得られます。
- 仕事の安定性: 社会福祉士は社会的に必要な仕事であり、少子高齢化社会が進む日本では特に需要が高まっています。厚生労働省の統計によると、2022年の社会福祉士の求人倍率は2.4倍であり、この数字は年々増加傾向にあります(厚生労働省2022年)。これは社会福祉士としての雇用機会が増加しているといえます。
- 多様なキャリアパス: 社会福祉士は老人ホームや障害者支援施設など、多様な環境で働くことが可能です。また、経験やスキルを積むことで管理職や専門的な相談援助業務への道も開けます。
- 達成感や充実感: 社会福祉士は、高齢者や障害者など、援助を必要とする人々を直接支援する仕事です。助けが必要となる人々の生活の改善に直接貢献することで、大きな達成感や充実感を得ることができます。
社会福祉士は介護現場でも活躍できます。
認知症の高齢者のケアに従事し、利用者に対してその人らしさを大切にしたケアを提供することで、利用者の日常生活の質の向上を実現することも可能です。
その結果、利用者から感謝の言葉を受けることで大きなやりがいにつながります。
社会福祉士として働き、人々の生活を直接支援することで得られる達成感や充実感は、社会福祉士ならではのやりがいと言えます。
社会福祉士は自分自身の専門性を高めながら、社会全体を支える重要な役割を果たします。
また、認知症の高齢者のケアに従事する社会福祉士は成年後見制度への支援も可能です。
社会福祉士の仕事は人々の生活を直接改善し、他の多くの職業では得られない喜びがあり、社会福祉士は社会のさまざまな面で大きな影響を持つ重要な職業と言えるでしょう。
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神の健康に関する専門的な知識と技術を持つ精神保健福祉分野で活躍する国家資格です。
心の病を抱える方が生活を営めるように、生活相談や生活支援として助言、訓練、社会参加などの環境調整をおこなう仕事です。
精神保健分野は相談件数が増加傾向であり、今後も注目されている福祉分野です。
精神保健福祉士は名称独占業務であり、業務に関しては精神保健福祉士の資格を持っていなくても業務を行うことは可能です。
しかし、精神保健分野の支援は専門性が高いため、クライアントが安心して相談を受けるためには資格取得をしていることが相手への安心感に大きな影響を与えます。
精神保健福祉士の主な仕事内容は精神的に障害のある方への支援です。
具体的に、病院勤務や精神保健福祉センターや保健所などで日常生活への援助や社会参加、就労支援などの支援に携わります。
この資格を取得すれば、精神疾患のある方々への支援に携わることが可能になります。
詳細は、厚生労働省の公式ウェブサイト(精神保健福祉士について)でご覧いただけます。
介護福祉士の資格について簡単に説明
介護福祉士は、国家資格のひとつであり、介護福祉士の資格を取得することで介護分野での知識や技術を習得していることを証明することができます。
スキルアップで資格を取得する意義
介護福祉士の資格を取得する意義は、自己成長だけでなく、利用者さんへのより適切なケア提供に繋がります。
また、資格取得は給与アップや昇進にもつながるため、キャリアアップの一環に留まらず、職場内での立場や職員関係にも良い影響を与えます。
自己の立場を上げることによって、人間関係にも良い影響を与えるので、職場内での悩み解決にも役立つでしょう。
介護福祉士から取れる資格とは?
介護福祉士から取得可能な資格には、認知症ケア専門士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護事務管理士などがあります。
これらの資格を取得することで、より高度な知識を持つことが可能となり、専門性の高いサービスの提供とキャリアアップにつなげることができるでしょう。
介護福祉士の役割と必要な資格取得要件
次に、介護福祉士の役割と必要な資格取得要件について解説します。
介護福祉士の主な役割
介護福祉士の主な役割は、要介護者への直接的な介護サービスの提供と、それに付随する業務です。
具体的には、身体介護や生活支援、リハビリテーション支援などがあります。
介護福祉士資格の概要
介護福祉士は、介護保険法に基づく介護サービスを提供するための国家資格です。資格取得には、専門学校や通信教育での学習と、一定の実務経験が必要です。
介護福祉士資格取得方法
介護福祉士の資格を取得するルートには4つの方法があります。
主な方法は下記の図を参考にしてください。
- (注意1)「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正により、平成29年度(第30回)から、養成施設ルートが介護福祉士国家試験の受験資格となりました。なお、養成施設を令和8年度末までに卒業する方は、卒業後5年の間は、国家試験を受験しなくても、または、合格しなくても、介護福祉士になることができます。この間に国家試験に合格するか、卒業後5年間続けて介護等の業務に従事することで、5年経過後も介護福祉士の登録を継続することができます。令和9年度以降に養成施設を卒業する方からは、国家試験に合格しなければ介護福祉士になることはできません。
- (注意2)実務経験ルートで受験を希望する方は「実務経験3年以上」だけでは受験できません。
- (注意3)平成20年度以前に福祉系高等学校(専攻科を含む)に入学し、卒業した方、特例高等学校(専攻科を含む)を卒業し、9ヶ月以上介護等の業務に従事した方が、「実技試験の免除」を申請する場合は、「介護技術講習」、「介護過程」、「介護過程III」のいずれか1つを修了または履修する必要があります。
介護福祉士資格の取得には、上記の図が取得ルートです。
新卒で介護福祉士を目指す方は専門学校で学ぶか、通信教育で必要な知識を身につけます。
そして、学校卒業後に実務経験を積み、介護福祉士国家試験に合格することで介護福祉士として認定されます。
ここで重要なポイントは、定められた実務経験をしっかりと積むことです。
その理由は、実際の現場での経験が介護の質を向上させるために不可欠だからです。
また、介護未経験の方が介護福祉士を目指す場合は実務経験を積み、一定の研修を修了する必要があります。
介護福祉士は国家資格であり介護現場では重宝される資格です。
研修期間は3~6ヶ月程度。
資格取得後は専門定期知識を活かし役職や給料改善にもつながります。
介護の現場で役に立つ資格
次に、介護の現場で役に立つ資格について解説します。
介護福祉士
介護福祉士は、介護の現場で最も一般的な資格であり、要介護者の生活全般をサポートすることが求められます。
具体的には、食事や入浴、排泄の介助、レクリエーションの企画・実施、家族へのアドバイスなど、幅広い業務を行います。
利用者の身体に触れて援助する身体介護(初任者研修保有でも可能)も可能となるので生活援助と共に家事全般の援助をおこなえるようになります。
介護福祉士の受験資格と取得方法は下記の通りです。
実務者研修+実務経験3年(1,095日)以上+従事日数540日以上の後、毎年1月に実施される筆記試験に合格後、3月に実施される実技試験に合格することで取得できます。
介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)
介護職員初任者研修は、介護の基礎的な知識と技術を学ぶための資格です。
ホームヘルパー2級とも呼ばれ、この研修を修了することで、基本的な介護業務を行うことが可能となります。
介護職員初任者研修は身体介護業務を行う訪問介護事業所では必須となる資格です。施設勤務であっても介護職員初任者研修を修了していないと身体介護業務は行えません。
実務者研修(ホームヘルパー1級)
実務者研修は、ホームヘルパー2級よりもさらに高度な介護技術と知識を身につけるための資格です。
研修を終えた者は、ホームヘルパー1級と呼ばれ、より高度な介護業務を行うことが可能となります。
実務者研修は、介護福祉士を目指す前段階の資格としても活用できます。
また、研修終了後は訪問介護事業所でサービス提供責任者の役職に従事する事が可能です。
介護職員初任者研修を受講していなくても、実務者研修から受講することが可能です。
資格取得のための勉強方法とポイント
介護職は資格を持つことで職種を選べますし、キャリアアップを有利に進めることが出来ます。
しかし、資格はあったほうが良いと考えるものの「勉強法がわからない…。」と悩んでいませんか?
資格取得のための勉強方法は人それぞれですが、ここでは私が試験合格で実践した勉強方法とその注意点をお伝えします。
効率的な勉強方法
資格取得のための効率的な勉強方法として、以下の3つがおすすめです。
- 計画的な学習スケジュールの作成
- 過去問題の活用
- 資格取得に役立つ書籍やウェブサイトの活用
それぞれ順番に解説します。
計画的な学習スケジュールの作成
毎日の学習時間や進行計画を立てることで、目標達成に向けての道筋が明確になります。
学習は継続する事が何よりも大切です。
目的が曖昧だと勉強を続けることが困難になります。
「今後どうなりたいのか?」をイメージし「今のうちに知識をつけておこう」と気持ちを切り替える事がとても重要です。
しっかり気持ちを作り上げ「勉強への苦手意識」を意識しすぎないようにしましょう。
重要な事は、勉強する気持ちよりも「職場での立場を作る」や「現状の立場から抜け出したい」など資格取得によって、自分に与えるメリットをイメージを作り出しましょう。
毎日の勉強に諦めず取り組む気持ちを持つことで、自分に言い訳して「挫折する可能性」や「サボりたくなる気持ち」を抑え込む事が重要です。
過去問題の活用
資格試験の過去問題を解くことで、試験の形式や出題傾向を把握することができます。
勉強方法としておすすめの教材は「過去問題集」一択です。
なぜなら、過去問は実際に試験に使われた問題だからです。
はじめは問題が理解できなくても、問題を解いているうちに問題の出題傾向と解答にかかる時間など雰囲気を理解できます。
私はとても勉強が苦手なため、試験開始4ヶ月前から1問5択の過去問を1日5問解く事から開始しました。
解きはじめは全くわからない問題ばかりなので不正解ばかりです。
しかし、問題を解き終わり答え合わせのあと、わからない言葉と意味をひとつずつ調べることを1日の勉強ノルマとしていました。
翌日は、前日不正解だった問題から解答し、その後ノルマの5問を解答します。
こうやって、不正解だった問題をその日に調べ、翌日解くことで記憶に効率よく定着させていきます。
1日の勉強ノルマは最初からハイペースで考えると挫折する可能性があります。
自信がついてきたらペースを上げるようにしましょう。
過去問題集は解答の解説がわかりやすいと感じた書籍がおすすめです。
資格取得に役立つ書籍やウェブサイトの活用
専門書やウェブサイトを活用することで、理解を深めたり、新たな視点を得たりすることが可能です。
わからない言葉や意味を調べるために参考書籍を購入する事をおすすめします。
もちろん、ウェブサイトの情報を利用することもおすすめです。
しかし、参考書籍や教科書は疑問に対して要点が簡潔に書いてあるので、要点と要点の繋がりを体系的に理解できます。
参考書は一冊2,000円前後しますが、勉強が苦手と自覚し、本気で時間を割いて試験に取り組むのであれば揃えた方が良いでしょう。
しかし、参考書の利用頻度は少ないかもしれません。
ですが、わからないことを調べるために無駄な時間を使うよりは効率的です。
資格取得の注意点
資格取得を目指す際の注意点として、次の3つを挙げます。
- 資格の目的や必要性を明確に
- 長期的な視点での学習
- 情報の信頼性確認
それぞれ順番に解説します。
資格の目的や必要性を明確に
自分がなぜその資格が必要なのか、取得することで何を得られるのかを明確にすることが重要です。
勉強法について冒頭で触れましたが「勉強をする決意」や「具体的に時間をどのくらい費やすのか?」の2点を考えておくことがとても重要です。
なぜなら、勉強が好きであれば、この勉強法の記事を読み進めてないでしょう。
しかし、勉強が好きな人は興味や関心が強く、この記事を読まなくても知識的欲求を満たすために勉強したくなるからです。
勉強が苦手で資格取得に取り組む自信が無いのであれば、やる気が起きないときに踏みとどまれる気持ちが重要です。
自発的に勉強する意味や目的を明確にしましょう。
長期的な視点での学習
資格取得は一時的な目標ではなく、長期的なスキルアップやキャリアアップの一部であるべきです。
短期間での効果を求めるのではなく、長期的な視点を持つことが大切です。
資格取得を目指す人の多くは「今後の展望」を視野に入れて資格取得に取り組むでしょう。
しかし、資格取得の意思や勉強に自分から踏み出せないと感じているのであれば、未来へのライフプランを具体的に捉えていない可能性があります。
例として、大学で知識を得ることや、スポーツの技術で先を見据えて身につけた経験はありませんか?
社会人になっても、資格を取得することは同じことと言えます。
年齢を問わず、資格取得は「人生を豊かにする」と考えましょう。
情報の信頼性を確認する
資格に関する情報を得る際は、その情報が信頼できることを確認することが必要です。
公的機関や専門機関の公式ウェブサイトなど、信頼性の高い情報源を選びましょう。
最新の公的な情報や法改正などは試験に出題されやすい傾向があります。
最新の参考書を購入する場合は、これらに関する情報も記載されますが、公式ウェブサイトで最新情報を確認することをおすすめします。
介護福祉士からの転職でおすすめの資格
介護福祉士からさらにキャリアを広げたい方や、新たな分野に挑戦したい方に向けて、転職を考えた際に役立つ資格を5つ紹介します。
- 理学療法士・作業療法士
- 看護師
- 准看護師
- 福祉用具専門相談員
- 介護事務管理士
それぞれ順番に解説します。
理学療法士・作業療法士
理学療法士や作業療法士の資格を取得することで、医療分野や介護現場でリハビリテーションを通して自立に向けた支援を提供できます。
理学療法士とは身体に障害を抱える方に対して「歩く、座る、立つ」などの基本的動作の回復を支援するリハビリテーションです。
作業療法士とは理学療法よりも詳細な「箸を持つ、服を着る」など、その人らしい生活支援をを目的としています。
これらの資格を持つと、身体機能の回復を目指したリハビリテーションの提供が可能です。
【資格取得条件】
- 高校を卒業している
- 文部科学大臣に指定された養成施設で既定のカリキュラムを終了し卒業する
【学習期間(ルート別)】
- 大学は4年
- 短大は3年
- 専門学校は3年制・4年制あり
費用は上記のルート別で違ってきます。
【費用】(専門学校を想定)
(理学療法士)
- 昼間部(4年制):540万円前後(入学金・授業料・実習費・設備費・教育教材演習費含む)
- 夜間部(4年制):420万円前後(入学金・授業料・実習費・設備費・教育教材演習費含む)
(作業療法士)
- 昼間部(4年制):540万円前後(入学金・授業料・実習費・設備費・教育教材演習費含む)
- 夜間部(4年制):420万円前後(入学金・授業料・実習費・設備費・教育教材演習費含む)
看護師
看護師は医師の診療に対してサポートを行う国家資格です。
【取得条件・学習期間】
文部科学大臣指定の学校か厚生労働大臣指定の看護師養成所を卒業することで受験資格を得られます。
- 大学(4年制)看護学系学部
- 短大(3年制)看護学科等
- 専門学校(3年制・4年制)養成所
【費用】
- 大学(公立)250万円程(私立)450万円~700万円程
- 短大(公立)250万円程(私立)400万円程
- 専門学校(公立)60万円程(私立)250万円~300万円程
准看護師
准看護師は看護師と同様に患者の看護業務を行いますが、看護師との違いは医師や歯科医師、看護師から受けた指示で業務を行います。
免許の発行は都道府県知事です。
養成学校に2年通う必要が有ります。全日制と半日制の受講スタイルが、働きながらでも資格取得を目指すことが出来ます。
【取得条件】
- 中学校を卒業していること
- 養成所にて規定のカリキュラムを修了し卒業すること
- 准看護師試験に合格すること
【学習期間】
2年間
【費用】
通う養成学校や全日制と半日制のどちらを選ぶのかで学費が異なります。
学費:140万円程(2年間合計)
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員は、高齢者や障がい者が必要とする福祉用具の選択や利用方法について専門的なアドバイスを提供します。
介護士不足を補うために、ITを活用する動きが盛んになっています。介護現場の負担軽減に大きな影響を与える福祉用具も今後の需要は伸びるでしょう。
介護事務管理士
介護事務管理士の資格を持つと、介護サービスの事務や管理業務を担当することができます。
介護に関わる一方、オフィスワークに興味がある方に適した資格です。
介護保険請求などを含め、経営や財務の知識を身につけることができます。
以上が、介護福祉士の資格を持つ方が転職を考える際に役立つ資格の一部です。
各自の目指すキャリアや興味に合わせて、適切な資格について知っておいて損はないでしょう。
介護福祉士から取れる免除のある資格
保育士
介護福祉士の資格を持っている方で、資格試験の免除を受けて新たな資格を取れないか気になっている方もいるのではないでしょうか?
介護福祉士の資格を持っている方は、保育士の資格取得で全9科目の受験が必要ですが、その一部の「社会的養護」「社会福祉」「子ども家庭福祉」の3科目の筆記試験が免除されます。
保育士の資格を取得すると保育所などで勤務することが可能です。
一方、保育士の資格を活かして働ける仕事が他にもあるのか疑問を持つ方もいるでしょう。
保育士とは一般的な保育園のみならず、障がい者施設や放課後デイサービス、児童発達支援センター、病院や施設に併設されている保育所などの職場で働くために必要となる資格です。
保育士の資格を持つことで、保育所以外の施設や事業所支援の仕事があることを知らない方も多くいます。
放課後等デイサービスなど、軽度の障害がある方への仕事に馴染みがない方もいるかもしれませんが、やりがいのある仕事です。
【取得条件】
保育士資格取得には下記の4つのルートがあります。
- 保育系大学、短大、専門学校を卒業
- 大学、短大、専門学校に2年以上の在学+保育士試験の合格
- 実務経験2年以上(高卒)+保育士試験の合格
- 実務経験5年以上(中卒)+保育士試験の合格
【受講期間】
保育系大学、短大、専門学校の卒業。もしくは通信教育(独学)などで保育士試験を受験する。
通信教育:最短6カ月~1年
【費用】
保育士資格取得にかかる費用は、ルートによって異なります。
働きながらでも目指せる通信教育にかかる受験費用は5万9700円(教材・指導費・消費税含む)です。
介護福祉士から取れる資格【まとめ】
この記事では、介護福祉士の役割と資格、さらにスキルアップやキャリアアップを目指すための資格についてご紹介しました。
また、介護の現場で役立つ資格から、管理職や施設長へのキャリアアップに役立つ資格まで、参考にしていただければ幸いです。
また、資格取得のための効率的な勉強法や注意点、そして就職に役立つ資格についてもポイントと実体験を踏まえて解説させていただきました。
介護福祉士としての資格は、介護の現場で高品質なサービスを提供するための基盤となりますが、さらなるスキルアップやキャリアアップを目指すためには、さまざまな資格を取得することが有効です。
自分の目指す方向性に合わせて、適切な資格を選び、取得することで、介護の現場でのさらなる活躍が期待できます。
キャリアアップを目指せる介護転職サイト
介護福祉士としてキャリアアップを目指す方への転職サイトをいくつか紹介します。
介護ワーカー
介護ワーカーは、介護職専門の転職サイトです。全国の介護職求人を掲載しており、自分の希望や条件に合った仕事を探すことができます。
- 求人数が多く非公開求人も豊富
- 担当のコンサルタントの質が良い
- 全国に求人がある
- 年収アップの見込がある
- 介護施設の情報量が豊富
レバウェル介護(旧:きらケア)
レバウェル介護は、福祉・介護の仕事を探す方のための転職サイトです。求人だけでなく、キャリアアップのための情報も提供しています。
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かいご畑
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上記以外の転職サービスも気になる方は介護士転職エージェントランキングの記事も参考にしてください。
介護福祉士から取れる資格Q&A
最後に、介護福祉士から取得できる資格についてのよくある質問とその回答をいくつかご紹介します。
介護福祉士の給与は他職種と比較して手取りはいいの?
介護福祉士の平均年収は約400万円と言われています。ただし、これは一般的な数字であり、地域や施設の規模、経験年数などによって変動します。他の医療系職種と比較すると、看護師の平均年収は約500万円、理学療法士の平均年収は約450万円となっています。
介護の最上位資格は何ですか?
介護の最上位資格としては「認定介護福祉士」が挙げられます。この資格を持つと、介護福祉士としての高度な知識と技術が認められ、リーダーシップを発揮して職場を牽引することが期待されます。
ケアマネージャーと介護福祉士はどっちの仕事が難しい?
ケアマネージャーと介護福祉士のどちらが難しいかは、それぞれの業務内容と所要するスキルによります。介護福祉士は直接的な介護業務に関わりますが、ケアマネージャーは介護の計画立案やコーディネーションが主な業務となります。また、ケアマネージャーとして働くには介護福祉士としての経験があると有利です。
介護福祉士に求められる能力は?
介護福祉士に求められる能力は、専門的な知識と技術だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力、組織の中で働くためのチームワークも重要です。
介護福祉士の実務経験3年とは?
介護福祉士の実務経験3年とは、介護福祉士としての職務を3年以上経験した状態を指します。この実務経験は、多くの資格や研修において、取得や参加の条件となっています。実務経験を積むことは、現場のリアルな知識やスキルを身につけるためにも重要です。具体的な職務内容や期間は、個々の施設や組織によるため、自身のキャリアプランに合わせて経験を積んでいくことをおすすめします。
ガイドヘルパーとは何ですか?
ガイドヘルパーは、視覚障害者の移動支援を行う資格です。視覚障害者の方々が安全に、そして確実に目的地まで移動できるようにサポートを行う、大変やりがいのある仕事です。資格を取得するためには、ガイドヘルパー養成講習を修了し、試験に合格する必要があります。
介護の仕事で個人で独立する方法はありますか?
あります。一例として、訪問介護事業所や介護支援専門員(ケアマネージャー)として居宅介護支援事業所を独立開業している方がいます。
介護保険の指定事業者となるためには法人格が必要です。独立開業には資金と人材確保を念頭に置き、計画的に進めていく必要が有ります。