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介護福祉士の資格取得を検討している方で「介護福祉士養成施設ってなに?」と疑問を感じる方もいるでしょう。
介護福祉士の資格取得には4つのルートが存在しますが、その1つが養成施設ルートです。
この記事では介護福祉士養成施設を利用して介護福祉士を目指す方が気になる疑問について解説しています。
介護福祉士養成施設は種類や法改正によって年度別で資格取得方法が変更になっている部分があります。
介護福祉士養成施設ルートや、その他3つのルートのカリキュラムもご紹介しているので、最後まで読んでいただければ養成施設ルートを利用するか判断できるでしょう。
また、実務経験ルートで私がおすすめする取得手順についてもご紹介しています。
最後まで読んでいただくことで「養成施設ルート」か「実務経験ルート」のどちらが自分にとって向いているのか比較検討して判断できます。
介護職歴20年以上の実績から解説させていただいているので、介護福祉士を目指し養成施設ルートが気になる方は参考にしてみてください。
介護福祉士養成施設とは
介護福祉士国家資格を取得するには4つのルートがあります。
- 実務経験を3年以上積むルート
- 養成施設に入学するルート
- 福祉系高等学校に入学するルート
- 経済連携協定(EPA)インドネシア、フィリピン、ベトナムの方が資格取得を目指すルート
上記のルートで、介護福祉士養成施設に通って資格取得を目指す方法を介護福祉士養成施設ルートと言います。
介護福祉士養成施設は厚生労働大臣の指定を受けている高等教育機関でなければいけません。
全国に359件の介護福祉士養成施設が点在しているので、興味のある方は近所の介護福祉士養成施設を検索してみましょう。
出典:厚生労働大臣 「第35回介護福祉士国家試験養成施設等別合格率」
介護福祉士の養成施設の種類と通学期間
介護福祉士の養成施設は下記の4つです。
- 4年制大学
- 短期大学
- 専門学校(2~3年制)
- 1年課程の専攻科
それぞれ順番に解説します。
4年制大学
介護福祉士の養成施設で福祉系学科のある4年制大学では通常4年間通います。
入学対象者は下記の2つです。
- 普通科の高校を卒業したもの
- 福祉系大学以外の4年制大学を卒業したもの
福祉系学科の大学では福祉全般の基礎知識や技術のみならず、一般教養も学ぶことができます。
短期大学
短期大学の修業年限は通常2年で卒業となります。大学への編入が可能な場合もあります。
短期大学の入学対象者は下記です。
- 普通科の高校を卒業したもの
- 福祉系大学以外の4年制大学を卒業したもの
短大では2年間と学習期間が短いように感じますが、福祉全般の基礎知識や技術のみならず、一般教養も学ぶことができます。
専門学校(2~3年制)
専門学校には2年制と3年制があります。
入学対象者は以下のとおりです。
- 普通科の高校を卒業したもの
- 福祉系大学以外の4年制大学を卒業したもの
専門学校では大学や短大で学ぶことと比較して、実践力や調整力を身につけることができるため、即戦力として仕事に直結するカリキュラムを学ぶことができます。
1年課程の専攻科
1年課程の高等専攻科の入学対象者は以下のとおりです。
- 保育士資格を持っているもの
- 福祉系大学を卒業したもの
1年課程の高等専攻科は養成施設のなかでも介護福祉士の受験資格を最短で得ることが可能です。
1年課程ですが、社会福祉の専門知識と技術をしっかりと学べます。
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介護福祉士養成施設の卒業年度に注意する
介護福祉士の養成施設では、下記の3つの卒業年度パターンによって資格取得条件が異なります。
- 2016年度卒業
- 2017~2026年度卒業
- 2027年度以降卒業
それぞれ順番に解説します。
2016年度卒業
2016年度までに卒業した人であれば、卒業とともに介護福祉士の資格取得ができます。
2017~2026年度卒業
2017~2026年度の間に卒業する人は、卒業後に介護福祉士の登録申請をすることで、登録後5年間は国家試験に受験し合格していなくても介護福祉士の有資格者として経過措置が設けられています。
また、卒業後の届出から5年経過した後も介護福祉士を名乗りたいのであれば以下の2つの条件のうちいずれかを満たす必要があります。
- 卒業後5年間は継続して介護などの業務にたずさわる
- 卒業後5年間で介護福祉士の国家試験に挑戦し合格する
2027年度以降卒業
2027年度以降に卒業する人は、法律の改正によって、今後は介護福祉士養成施設を卒業し、介護福祉士国家試験に合格することが資格取得に必須となる予定です。
介護福祉士養成施設に通信制の学校はある?
結論から申しますと、介護福祉士の養成施設には通信制の学校は存在しません。
なぜなら、介護福祉士資格取得には実技の習得が必要となるからです。
例えば、養成施設を卒業して受験資格を得ている方であれば「介護福祉士国家試験受験対策講座」などの通信講座があります。
実務者研修修了済みの方であれば実技を修了しているので、試験対策の通信講座を受験することが有効でしょう。
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介護福祉士養成施設に通うメリット
介護福祉士養成施設に通うメリットを次の3つの視点で解説します。
- 最短で資格取得できる
- 体系的で効率よく学べる
- 国家試験対策の傾向がわかる
それぞれ順番に解説します。
最短で資格取得できる
介護福祉士の資格取得に、学習時間を2年間確保できる方であれば最短で集中して資格取得を目指せるので養成施設に通うことも有効です。
一方、実務経験ルートであれば、介護福祉士国家試験の受験資格は介護現場での「実務経験3年以上」と「実務者研修」に修了することでも資格取得を目指せますが、働きながら学習に取り組む努力が必要が有ることと、3年以上は資格取得できないデメリットがあります。
一方、養成施設であれば最短で確実に資格取得を目指すことが可能です。
体系的に効率よく学べる
介護福祉士の養成施設に通うメリットは体系的に効率よく専門知識や技術の習得ができる点です。
実習のカリキュラムがあるので、実習先別に施設の特徴や現場の雰囲気を知ることや、対応力や実践力を養うこともできます。
また、養成施設によって学校独自カリキュラムや福祉に関係する知識を効率よく学ぶことが可能なので、他の資格を取得する機会を作ることもできます。
国家試験対策の傾向がわかる
介護福祉士養成施設に通うことで国家試験に合格しやすくなります。
独学で介護福祉士国家試験に挑戦する場合だと250時間程度が目安の勉強時間です。
一方、養成施設では国家試験の出題傾向を徹底的に分析した模擬試験などを実施しています。
担任による個別指導や一緒に学べる仲間がいることもモチベーションに良い影響を与えてくれるでしょう。
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養成施設以外の資格取得ルートは3つある
介護福祉士養成施設以外で、介護福祉士の資格を取得するルートは下記の3つがあります。
- 実務経験ルート
- 福祉系高校ルート
- 経済連携協定(EPA)ルート
それぞれ順番に解説します。
実務経験ルート
介護職未経験者であれば、介護現場で「実務経験3年以上と介護福祉士実務者研修を修了すること」、または「3年以上の実務経験と介護職員基礎研修・喀痰吸引等研修の修了」によって、介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。
実務経験とは3年以上(1,095日)で540日以上の従事日数をクリアし、介護福祉士実務者研修を修了する事によって受験資格を得られます。
なお、実務経験ルートでは実務者研修の受講が必須なため実技試験が免除になります。
福祉系高校ルート
福祉系高校または福祉系特例高等学校の課程を修了することで、受験資格を得るルートです。入学年度によって下記のように条件が変わるので注意が必要です。
- 2009年度以降の新カリキュラム導入後に入学した人は筆記試験に合格すれば実技試験は免除されます。
- 2008年以前のカリキュラムで入学した人は筆記試験に加えて実務試験を受ける必要が有ります。なお、特例高校を卒業しているものは9ヶ月以上の実務経験が必要です。
経済連携協定(EPA)ルート
経済連携協定(EPA)により、EPA介護福祉士候補者の対象国となっているインドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国の方が介護福祉士の資格取得を目指すルートです。
日本唯一の受け入れ調整機関である公益社団法人国際厚生事業団(JICWELS)が候補者のあっせん業務を行っています。
このルートでは、実務経験が3年(1,095日)以上、かつ従事日数540日以上と介護福祉士実務者研修を修了しているか、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修の両方を修了していれば受験資格を得られます。
実務試験免除で介護福祉士国家試験を受験したい場合は、実務者研修か介護技術講習の受講が必要です。
出典:厚生労働省EPA介護福祉士候補者の受入れについて
介護福祉士の養成施設のカリキュラム
介護福祉士の資格取得ルート別の各学習カリキュラムを下記の図で確認してみましょう。
続いて介護福祉士養成施設で必要となるカリキュラムを抜き出すと下記の通りです。
介護福祉士養成施設ルートのカリキュラム
人間と社会 | 人間の尊厳と自立(30時間以上) |
人間関係とコミュニケーション(60時間以上) | |
社会の理解(60時間以上) | |
介護 | 介護の基本(180時間) |
コミュニケーション技術(60時間) | |
生活支援技術(300時間) | |
介護過程(150時間) | |
介護総合演習(120時間) | |
介護実習(450時間) | |
こころとからだのしくみ | こころとからだのしくみ(120時間) |
発達と老化の理解(60時間) | |
認知症の理解(60時間) | |
障害の理解(60時間) | |
医療的ケア | 医療的ケア(50時間以上+演習) |
働きながら介護福祉士を目指すなら実務経験ルートがおすすめ
資格取得のために仕事を辞めることが難しい人も多いのではないでしょうか。
働きながら資格取得を目指すのであれば、実務経験ルートがおすすめです。
実務経験ルートであれば以下の3つのポイントについて解説します。
- 現場での実績を積みながら低コストで学習でききる
- 初任者研修や実務者研修を修了すると資格手当がもらえる
- 実務経験ルートでおすすめする受験までの流れ
それぞれ順番に解説します。
現場での実績を積みながら低コストで学習でききる
実務経験ルートであれば、低コストで学習できます。
現場での実技経験と「介護職員初任者研修」や「介護実務者研修」の修了を共に目指す必要があるので効率よく学習することが可能です。
しかし、デメリットとして自分で主体的に勉強する必要があることは覚えておきましょう。
初任者研修や実務者研修を修了すると資格手当がもらえる
実務経験3年間の早いタイミングで「初任者研修」「実務者研修」のいずれかを早く取得することで資格手当に反映されます。
「初任者研修」の手当平均相場は月に5,000円程度です。年間で6万円の収入が変わるので実務者研修や介護福祉士の受験講座などの費用に資格手当をあてれば効率よく資格取得を目指せます。
一方、「実務者研修」の資格手当の平均相場は月に7,000円程度です。年間にすると84,000円です。
実務経験ルートで効率よく受験するおすすめの方法
実務経験ルートで介護福祉士国家試験を効率よく受験するポイントは下記です。
「初任者研修」を早めに修了して資格手当を受ける。
- 実務経験2年目の3月に実務者研修を開始する。
- 実務経験3年目の7月に介護福祉士国家試験の手引きを請求し、翌月8月に実務見込みで受験書類提出を行い試験に申し込む
- 実務者研修修了には6ヶ月程度かかるので実務経験3年目9月に実務者研修が修了し、筆記試験の勉強に取り掛かる
- 実務経験3年目の9月から12月まで勉強し、翌月の1月に試験に挑む。
上記の勉強法で自己学習に自信がない方は筆記試験対策の通信講座の利用がおすすめです。
理由は、確実に合格して早めに資格手当をもらった方が収入面でも経験値でもメリットが大きいからです。
効率よく勉強できる通信講座は下記で資料請求ができます。講座の所在地、費用面や安心して体系的に学べるカリキュラム内容などを比較して選択するのが確実でしょう。
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なお、資格支援を受けられるサービスは下記の介護士転職エージェントランキングおすすめ5選【選び方も解説】の記事も参考になるかと思います。👇
介護福祉士養成施設に関するQ&A
介護福祉士養成施設の費用は?
介護福祉士養成施設の学費は100万~150万円程度の費用が必要です。
これは、学費なので介護福祉士国家試験の受験費用が別途かかります。
介護福祉士養成施設に夜間制はある?
介護福祉士養成学校には夜間制もあります。
介護福祉士養成施設に社会人として通う方法は?
社会人として介護福祉士を目指すには、養成施設に通うか介護職に転職して実務経験を積む方法があります。
介護福祉士養成施設には何年通学が必要?
高校卒業以上の場合だと2年以上の養成施設に通学します。
一方、保育士資格や社会福祉士受験資格を有している人や福祉系大学の卒業者であれば、1年制の養成施設に通学することが可能です。